2022/09/07 20:01

このところ「心」のお話が少々増えてきています。

そういう時代になった、そういったフェーズに入った証だと感じています。

今日は、
「心の目を開いて被写体と会話する」です。

心の目?
それって何?
というお声も聞こえて来そうです。
あまりにも漠然としたお話しでは伝わらないと思いますし、かと言って、バリバリの物質現象だけに限定するのもよくないように感じますので、事例をもとに進めて行きたいと思います。



まず大前提として、
写真は「撮影者と鑑賞者」=撮る人と見る人。という関係があります。
ここには、
その同じ被写体を通して「感じる」というエネルギーの交換が行われることを忘れないようにしなければなりません。


エネルギーの交換?
だとか言いますと、またまた「何やそれ?」的な展開になるので、より平易な言葉に置き換えてみます。

この切り株の写真。
撮影者は「切り株」として撮っています。そして、鑑賞者も「切り株」として認識します。
ここまでは物理現象オンリーの世界でも十分に通じるでしょう。
肝心なのはこの後です。

撮影者は、
「どういう意図で撮ったのか」「何を感じたのか」「何を伝えようとしたのか」といった、そこに込めた意図や意識があります。
もちろん、単に、目の前にあったから撮ってみた。というのもアリです。
ですが、目の前にあった...という認識があったからこそシャッターを切っています。
片や鑑賞者は、
「なぜ切り株なのか」「どこに意図があるのか」という風に考えるとともに、見ている時間の経過とともに「どんな感じを受けるか」という自分の感覚を持ちはじめます。

--- なんだか面白くないねぇ。 というのも一つでしょう。
--- これ、相当古いよね。 というのもアリかもしれません。
--- 左上の穴のところに何か生えてきたのを撮りたかったのかい? というのも鑑賞者の感覚です。


このようにして、さまざまな感覚が「撮影者と鑑賞者」の間にある、この一枚の画像データを通して生み出されます。
感覚とはエネルギーなので、そこに同じ周波数のエネルギーがあるなら共振することになります。
スマホのエリアと同じで、その中で同一の周波数なら通信ができるわけです。


写真の場合には通信はあり得ませんが、例えば、左上の「新しい芽」に注目した。と仮定します。

撮影者は、「こんなに古い切り株だったけれど、新しい芽が出てますよ!そこに新鮮な息吹を感じましたよ!」
という意識を込めるのです。
鑑賞者は、「何かこの新芽について語りたかったんだろうね」と予想します。
ここで、この新芽を通してシンクロが発生、と相成ります。

ああ、確かにひときわ色彩感豊かで、新たな生命を感じるよね。
という、ここに「新しいエネルギーとしての意識」が作り出されたということです。



この至って単純な、
「込めたものを伝える」から
「込められたものを受け取ってみる」までの、
同じ周波数のシンクロこそが、写真という世界における「共同創造」なのだ、と、わたしは過去からずっとお伝えしてきました。


過去、フォトコンテストの審査の場でも、撮影者の意図を「感じ取ろう」としますし、鑑賞者の立場でも「受け取ろう」としてみます。
このようにして、共同創造されたエネルギーの「強さ・大きさ」が強く大きく高いものに評点が上がる。という審査を行うことが多いのです。
もちろん例外もあります。
フォトコンテストの場合には、主催者の意図が最優先されることを忘れてはなりませんので、その意図から外れたものは予選落ちしてしまいます。よって、共同創造のエネルギーといった要素以外が原因となり結果が左右されることはあり得ますが、その例外規定のようなものは話題から逸れるのでここでは触れません。



「心の目を開いて被写体と会話する」

それは、物理的に目に見えているだけの「切り株という被写体」とともに、
「目に見えない撮影者の意図と鑑賞者の想像」がシンクロすることで新たなエネルギーが創造される。
この二つの要素について感じることが大切ですよね、
といったお話しでした。

昨日の記事、
でも書きましたが、

こうした精神世界や心に通じる世界をバカにし、古い枠組みの中でしか思考できない人たち。
そうした人たちは、まず「写真」というアートやクリエイティビティの分野から「接点を失って」行きます。
そして、
自らの感性がまったく役に立たないレベルに腐っていることを知ることになります。


時代は常に変化しています。
旧来のコンフォートゾーンに居続けるのは、二度寝するような心地よさがあるからでしょう。
しかし、檻の扉が開いているのですから、そこから脱出してみないことには新しい世界や新しい空気を吸い込むことができません。

写真という極めて身近な媒体であっても、ここまで精神世界や心の世界との結びつきが深いことを理解したのなら、この至って簡単な媒体を通して「自身の心を磨いて」みませんか?
もっと楽しく、もっと深い世界がここにあります。
ご一緒しましょう。


本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
(この内容は、別途エッセイだとかの形でまとめてみたいと思ってます。)